兵庫県豊岡市視察(厚生産業委員会)

Uncategorized

日時: 2026年10月19日(月)14:00~15:30
場所: 豊岡市役所

テーマ: 豊岡市大交流ビジョンおよび豊岡アクションプラン(観光ツーリズム等)について

研修内容(プレゼンテーション)

説明者: 豊岡市 産業経済部 観光政策課 課長(中田氏)

(1) 豊岡市の概要と観光資源

 基本情報: 面積約700km²(兵庫県内最大)。コウノトリ野生復帰(野生化で700羽以上が生息)、但馬牛(黒毛和牛の元牛)、城下町出石(皿そば、永楽館)、神鍋高原(スキー・スポーツ合宿)、玄武洞公園、竹野海岸など多様な地域資源を保有。

 地場産業: 豊岡鞄(全国有数の生産額、養成スクール設置)。

 教育・文化活動: 2021年に兵庫県立芸術文化観光職職能大学校が開校。豊岡演劇祭の開催、出石永楽館での歌舞伎公演(片岡愛之助氏座頭)など「演劇・芸術文化」を通じた街づくりを展開。

 城崎温泉: 木造3階建て旅館が立ち並ぶ温泉街。「街全体が一つの旅館」というコンセプトのもと、外湯巡りや浴衣文化でインバウンドを中心に高い人気を誇る。

(2) 観光政策の推進体制と実績

 推進体制: 観光政策課(行政)と「豊岡観光イノベーション(DMO)」が連携。DMOには民間(JAL等)や行政からの派遣職員、国際交流員(CIR:アメリカ、フランス、中国等)を配置。

 観光実績:

 年間観光入込客数:約300万人(日帰り2:宿泊1)。

 外国人宿泊者数:2025年に初となる10万人泊を突破(米国、台湾、豪州、中国などが上位)。

(3) 豊岡市における観光産業の位置付けと課題

 位置付け: 観光を「外貨を稼ぐ基幹産業」と位置付け。観光消費額の向上と地域への付加価値還元を図る。

 4つの主要課題:

1. 国内客の関西圏依存: 観光客の約8割が関西圏(大阪・兵庫・京都)。関西圏の将来人口減少に伴う市場縮小リスクへの対応が必要。

2. 外国人宿泊者数の増加鈍化: 全国的なインバウンド回復の中で成長ペースの鈍化傾向がみられる。

3. 観光消費単価の低さと滞在日数の短さ: 単価引き上げと長期滞在化の促進が課題。

4. 繁忙期と閑散期の差: 6月・7月や夏季の酷暑による落ち込み(雇用や施設稼働の平準化への影響)。

(4) 豊岡大交流ビジョンの概念・施策

 基本理念: 「小さな世界都市」の実現。ローカル(地域固有の価値)を磨き上げ、世界から尊重される街を目指す。

 「大交流」の捉え方: 従来の「観光客×事業者」の狭い関係から、市民やビジネス・視察訪問者も含めた広義の交流へと拡張。地域固有の価値に共感・憧れを抱いてもらい、市民の誇りと心のこもったおもてなし、地域雇用の創出へ繋げる循環構造を構築。

 具体施策・マーケティング:

 Web・DMO連携: 多言語サイト「Visit Kinosaki」の運営、メルマガマーケティング(顧客の属性・関心に応じた段階的情報発信)。

 地域コンテンツ: 「但馬牛とお散歩(アニマルセラピー)」「星空観察」「キノコ狩り」など高付加価値体験プログラムの開発。

 DX・データ活用: 城崎温泉の宿泊予約データを一元化・可視化するDX基盤を構築。地域内事業者間で予約動向や価格帯データを共有し、需給に応じた戦略設定や仕入れ・人件費の最適化に活用。また、アプリを活用した外国人パスポート情報の即時データ化・クラウド管理を導入。

 評価指標(KPI/KGI): 顧客満足度だけでなく「NPS(ネット・プロモーター・スコア:他者への推奨意向)」を重要指標として導入。

(5) 事前質問への回答

 大交流ビジョン策定の経緯: 市町村合併(2005年)から13年が経過した2018年度、観光に関する統合的なマスタープランの必要性から策定。

 観光財源(宿泊税の導入): 2028年度以降の導入に向けて2026年9月市議会にて表明。獲得した財源の活用計画(アクションプランの再整理含む)を策定予定。

 コウノトリと観光・地域産業: コウノトリ野生復帰を支える「コウノトリ育む農法」(減農薬・無農薬、冬水田んぼ等による環境配慮型農業)をブランド化。「コウノトリ育むお米」として高価格帯で全国展開(最大市場は沖縄県)するとともに、旅館の夕食等で提供し地産地消・地域経済循環を達成。

 予算規模: 観光政策関連予算は約2.75億円(一般財源ベース総予算約510億円のうち)。観光協会への補助金は約5,048万円、DMO(豊岡観光イノベーション)への負担金は約5,000万円。

Q. データ分析やWebマーケティングの「内製化」について、具体的な体制や取り組み状況はどのようになっているか。また、AIの活用状況はどうか。

Q. 民泊の取り組み状況や、Airbnbなどの外部プラットフォームの活用事例はあるか。

Q. 「コウノトリ育むお米」の作付面積や農家への負担、広がりの実感について伺いたい。

Q. 自然環境保全や演劇などの取り組みについて、市民への投資・予算投入に対する「市民の納得感」や「還元・効果の実感」をどのように得ているか。

Q. 合併前の旧町ごとの観光資源(6市町=六面体)の売り出し方と、現在の「大交流ビジョン」との関係性について伺いたい。

Q. 宿泊税の導入にあたり、事業者や旅館組合等からの反発や懸念はなかったか。また、税収の使途や観光予算への影響についてどう考えているか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました