今回、離島専門メディア「リトケイ」主催の 未来のシマ共創会議2026 と、国土交通省主催の スマートアイランドEXPO2026 が並行開催されていたため、両方に参加した。いずれも、離島が抱える課題を住民・行政・企業が共創し、解決策を生み出し、具体的なアクションにつなげることを目的とした取り組みである。リトケイから「自治体枠」での参加のお誘いがあり、オブザーバー参加 として参加。
未来のシマ共創会議2026では、3つのテーマに基づき7つのチームに分かれて協議が行われた。事前に Zoom会議を2回 実施し、23日の対面ワークショップで 具体的なアクションプランの作成 を行った。
23日午前は、テーマごとに会場を分けてセッションを実施し、笠岡市は 「離島×子ども」セッション に参加した。特に「家島」チームでは、子どもの減少が進む中で、
- 離島留学の受け皿となる空き家の確保
- 小中学校の存続 をどのように実現するかを中心に議論した。海士町・五島列島・利島・八丈島・笠岡諸島など、全国の離島関係者が参加し、協議内容は午前の最後に3グループ分まとめて共有された。

午後は、会場を 東京イノベーションベイス に移し、12時から16時まで開催されている スマートアイランドEXPO と並行してプログラムを実施した。15時30分からは、未来のシマ共創会議2026の各セッションによる成果発表が行われた。
13:00~15:30 スマートアイランドEXPO2026 見学

スマートアイランドEXPOは、離島自治体をはじめ、さまざまな技術・サービスを持つ企業・団体が一堂に会し、持続可能な離島の未来の実現に向けて、交流を深めていく機会と位置づけられています。会場では、企業・団体ブースの他自治体ブースも設けられ出展離島の紹介・マッチング交流会・展示相談会が行われていました。
特記事項としては、有害鳥獣対策機器のメーカーの展示パネルに真鍋島でのスマートアイランド事業の取り組みの様子が紹介されていました。また、プロパンガスを利用した非常用電源装置のブースについてはジーゼルエンジン方の発電に代わる新しい仕組みとして興味深く感じた。島内交通の新しい乗り物として3輪で3人乗りの電気自動車は今高島でも導入されているが今後島の観光の足として普及すると面白いと感じたのと、燃料として油ではなく電気化を進め、クリーンエネルギーを推進というイメージアップにもつながるのではと感じた。
15時30分~ 各セッションごとの発表が行われた。

島における子どもの居場所づくりと地域活性化ワークショップ

1. 概要
本ミーティングでは、家島や祝島、小値賀島などの離島における「子どもの居場所づくり」「離島留学」「部活動・地域の役割」に関する課題や、ワークショップを通して生まれた具体策・アクションプランについて共有された。
2. 各地域の取り組みと背景
① 家島(いえしま)
• 背景・事例: 学校に行きづらい子どもを持つ親に対し、空き家を紹介して家島の学校に通わせた事例がある。高校進学のタイミングで本州へ戻ったが、この成功事例をさらに増やしていきたい。
• 課題・目指す方向性: 家島だけでなく他の地域でも応用可能な取り組みとして、海や山の近くに人が集まる仕組みを展開する。
② 祝島(いわいしま)
• 背景・課題: 小学校6年生の児童が来年中学校へ進学するにあたり、本土の定期船で通学予定。本土の学校では部活動の選択肢が限られており、子どもが選択肢を持てない現状がある。
• 提案: 従来の部活動の固定概念にとらわれず、地域の中で子どもが熱中できる活動や環境をつくる。
③ 小値賀島(おぢかじま)
• 背景・課題: 離島留学の受け入れ実績(留学生寮の運営等)がある中、子どもたちが「来てよかった」と思える居場所づくりやサポートが求められている。
• 特徴: 無人島や2次離島(福岡等から船で渡り、さらに先の島)など、豊かな自然資源を活用した体験活動が可能。
3. ワークショップで出た主なアイデア・議論
• 「居場所」の再定義:
• 都市部では習い事や図書館など大人が決めた場所が居場所になりがちだが、地方・離島では集落全体や自然の中が子どもの居場所となる。
• 大人が用意した体験をさせるのではなく、子ども自身が主体性や役割を持って地域(お年寄り等)と関わり、感謝される体験(例:釣った魚を届けて喜ばれる等)が大切。
• 地域活動の事例:
• 他地域の事例として、中学生による少年少女消防団など、地域を守る誇りを持った活動が紹介された。
4. 具体的なアクションプラン(家島の事例)
家島チームでは、以下の3つのアクションプランがまとめられました。
1. Facebookグループ「家島つながり」の活用
• 目的: 家島に関する情報が一元的にわかるプラットフォームの構築。
• 現状: 「家島つながり」というグループが既に立ち上がり、大学生等の協力も得て運用を開始(19名以上が参加中)。ゆるやかな繋がりを目指す。
2. 島や人との触れ合いを重視した「空き家内覧ツアー」
• 内容: 単に物件を見せるだけでなく、島の人々や雰囲気と触れ合ってもらうツアー。
• 見せ方の工夫: 綺麗な物件だけでなく、あえて手入れが必要な物件から見せる。小学5~6年生の保護者層など、対象を絞り込んで案内する。
3. 残置物撤去ワークショップの開催
• 内容: 譲り受けた空き家に残っている残置物をみんなで片付けるワークショップ。
• 工夫: 参加者に美味しい魚や食事を用意し、参加する「役割」やメリットを感じてもらう。
5. まとめ
• 子どもの主体性と役割: 大人が環境を用意するだけでなく、子どもが主体となって地域と関わり、役割を持つことが「居場所」の形成に繋がる。
• 離島ならではの強み: 離島ごとの距離感や自然環境、地域住民との距離の近さを生かし、それぞれの地域に合ったアクションプランを実践していく。
• テーマ:屋久島における観光、船の利活用、および地域課題に関する意見交換

① 会の趣旨と背景
• 背景:観光客や地元の方々の意見を取り入れ、今後の屋久島の観光や地域振興に活かしていくことを目指す。
• 目的:屋久島における「船」の利活用を中心に、現状の課題(人手不足、船の老朽化、メンテナンス体制など)を整理し、将来的なあり方を検討する。
② 屋久島における船の利活用と現状の課題
船の需要と現状
• 屋久島周辺での観光や島民の移動手段として船は重要な役割を果たしているが、現在は老朽化や維持管理(メンテナンス)の負担が大きい。
• 船の造船・購入コストの上昇や、操縦・管理に携わる人材(船員など)の不足が課題となっている。
課題解決に向けた提案・アイデア
• 中古船・他地域の船の活用:新造船の導入はコストや納期面で難しいため、他地域からの移管や中古船の活用、シェアリング・共同利用などの可能性を検討。
• 体験型コンテンツの展開:単なる移動手段としてだけでなく、釣りやクルージング、自然体験など、屋久島ならではの体験価値を提供するコンテンツとしての利活用。
• 港・アクセスの利便性向上:宮浦港や安房港など、港ごとの特徴や利便性を活かした運用方針の整備。
③ 港湾・関係機関との連携および安全面
• 関係機関との協議:漁協、港湾管理者、行政など関係者間での合意形成や、利用ルールの明確化が必要。
• 安全・環境への配慮:屋久島の豊かな自然環境を守りつつ、安全な運航体制を確保することが不可欠である点を確認。
3. 主な意見・質疑応答
• 意見A(地域の声・事業者):
• 船を新しく導入・維持するのは資金面・人手面で現実的に厳しい部分がある。既存の資源や他地域とのネットワークをうまく活かす仕組みが必要。
• 意見B(観光・コンテンツ面):
• 観光客向けに屋久島の魅力をより感じてもらえるような、魅力的な船旅・アクティビティのアイデアを具体化していくべき。
• 意見C(制度・手続き面):
• 実際に運用を始めるにあたっては、許認可や港の利用基準などのハードルを一つずつクリアしていく必要がある。
4. 今後のアクション・まとめ
1. 意見の整理とアイデアの共有:今回のワークショップで出た意見・課題(船の確保、コスト、人手、コンテンツ化)を整理し、参加者間で共有する。
2. 継続的な協議:関係機関や地域事業者との連携を深め、実現可能なモデルから段階的に検討を進める。
離島×防災×フェーズフリー セッション

1. 概要
• テーマ:離島におけるフェーズフリー(日常と非常時の境界をなくす考え方)を活用した防災と地域づくりの可能性
• 目的:離島での生活基盤(水・電気・物流等)の維持と災害対応を両立するアイデアの共有および官民連携の推進
① 各テーマの背景および課題提起
• 佐合島(人口5人の島)の現状(梅本)
• 山口県佐合島出身。島を継ぐにあたり、電気や水、し尿処理(バキュームカーの運搬)などのインフラ維持が住民自身の手で行われている現状を実感。
• 人口5人の島で災害が発生した場合、島外への避難や人口減少・本土移住に伴う集落維持の限界が懸念される。
• 大和ハウス・官民連携の観点(中野)
• 離島では「仲間づくり」や「適正サイズでのインフラ備え」が困難であるため、持続可能な仕組みづくりを目指す。
• フェーズフリーの概念(佐藤)
• 「日常の暮らしを豊かに便利にする(フェーズ1)」ものや仕組みが、「非常時の安心・安全を守る(フェーズ2)」ことにそのまま役立つという考え方。
② ワークショップ成果・アイデア共有
ワークショップを通じて出された主なアイデア
• 「清の学校」/ 自助力・共助力の向上(梅本)
• 昔ながらの知恵や修理技術を持つ高齢者(祖父「清(きよし)」氏がモデル)から、日常的に修繕や生きるスキルを学ぶ。
• 平時の学びが、そのまま非常時の自律的・自給的な防災力(フェーズフリー)へとつながる。
• ミニマムライフラインの構築(梅本)
• 小規模人口(5人程度)だからこそ実現可能な、省力・低コストで持続可能な最小限のインフラシステム(蓄電・小型浄水・水循環等)を構築・実証する。
• オフグリッド・キッチンカー / 移動型店舗(中野・各グループ共通案)
• 平時はイベント・お祭りや買い物困難地域への給食支援・売店として運用。
• 災害時は移動型避難施設や炊き出し・電源供給拠点として活用(軽トラの荷台を活用した蓄電・保存食販売等)。
「島版タイミ―」・人材スキル共有データベース(中野)
• 住民や島に関わる人々が持つスキル(防災・修繕・生活支援等)を平時から共有し、日常の助け合いと非常時の即応力を高める。
• 「島丸ごと体験」・関係人口の創出(中野・各グループ
• 島外の人々(特に子どもたち)に島の生活やサバイバル技術を体験してもらい、平時の交流と非常時の支援ネットワーク(関係人口)を同時に育てる。
③ 識者コメント・アドバイス
駒田参事官(内閣府)
• 離島は人口減少や高齢化などの「課題先進地」であり、日常(平時)からの防災への取り組みが最も重要。
• 行政主導だけでなく、地域住民や民間企業が協力できる「顔の見える関係性づくり」と、小さなステップからの実践が鍵となる。
佐藤代表理事(フェーズフリー協会)
非常時の備えを「コスト(負担)」として捉えるのではなく、日常の「価値(バリュー)」を高める取り組みへと変換することが大切。
事例紹介
1. 北海道興部町:複合庁舎にカフェ、スポーツジム、コインランドリーを併設し、平時は住民交流拠点、非常時は避難所・洗濯施設・炊き出し拠点として機能。
2. 徳島県鳴門市(道の駅くるくるなると):平時は売上を伸ばす商業施設、非常時は屋上スロープが津波避難場所となり、備蓄食材を提供する拠点に集約。
• 最初から「非常時」を意識しすぎると日常から遠ざかるため、「日常をどう楽しむか・豊かにするか」を起点にデザインすることが成功の秘訣。
④ 今後に向けたアクションとまとめ
• 佐合島での実証・オープンな場づくり(梅本)
人口が少ないからこそ、意思決定が早く実証実験に適している。小さなモデルを佐合島で作出し、日本全国・世界へ発信していく。
• 官民連携プラットフォームの活用(中野)
• 内閣府の「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」などを活用し、ワークショップの一回性で終わらせず、継続的な取り組みとして実践へつなげる。
結びのメッセージ
離島の日常を豊かにする工夫が、結果として最も強い防災力となり、未来の社会モデル(ノウハウ)となる。
19:00~21:00 合同懇親会 名刺交換・意見交換

特記事項
離島に関して日ごろから問題意識を持たれて実践している方々との意見交換は得るものが多々あった。
・私の参加したワークグループは家島の空家をサブリースで島の学校に通う世帯に供給する仕組みづくりをどう進めるか。空家物件の発掘の方法、空き家内部の残置物の処理、マッチング方法とかなり地道な仕事があり、地域の中の方が得意なもの、地域の外から応援可能なものとに分けてそれぞれの得意分野にフォーカスした役割分担を行うことが必要である。今回は問題提起の当事者の方以外の外からの応援者が数多く集まっているので、実装としては情報発信、マッチングイベントの手法、空き家内部の残置物処理のワークショップマンパワーとしての役割が提案され、早速Facebookを活用した「家島のつながり」というプラットホームが構築され参加者を中心に初日30名程度の登録があった。島での取り組みは、一部地域の取り組みではあるが、本当に必要とする人材の確保のために空家を確保するという考え方が一番大切であり、相思相愛の移住こそ定着にもつながるものである。
・交通のセッションでは、人口減少に伴い離島の補助航路については益々拡大してくるものと考えられる。笠岡市においても現在離島航路改善協議会が開催されており、全国の離島の航路の現状と専門家の先生方との交流会での意見交換が有益だった。屋久島においては、競合路線にあっても将来的な同行、CO2削減への対応からEV船への移行等新しい価値を創造するような提案がなされ、国を動かす取り組みへとつながっている。鳥羽においては船員不足から減便の現状に日本財団等と連携して活路を見出しつつある話など、航路を取り巻く空気感を体感した。笠岡の現状もかなり厳しいけれどそれに向き合い住民レベルでも理解と議論を進めることが必要と痛感。
防災のセッションで「フェーズフリー」という概念をご教授いただいた。フェイズフリー(フェーズフリー)とは、日常時と災害時という2つのフェーズの境界をなくし、普段使う商品やサービスが非常時にも役立つように設計する考え方です。 この概念は佐藤唯行氏が2014年に提唱し、一般社団法人フェーズフリー協会が普及・認証制度を運営されているようです。備蓄食料については備蓄用も加味して多めに仕入れて災害時にはその多めの仕入れを当てるという事例を上げていた。大切な考え方でその発想は今後普及していくと思う。
・合同交流会では、国土交通省離島振興課長をはじめ、航路研究をされている九州産業大学の行平教授、長崎の地域おこし協力隊の池田さんが、去年まで長崎で離島をフィールドで研究されていた濱田准教授が岡山理科大学へ赴任されているということでご紹介いただいた。離島航路については今後の動向に目が離せない状態なのでいろいろとご指導を仰ぎたい。

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