日時: 2026年10月20日(火)10:00~11:00
場所: 京丹後市役所
件名: 第4次京丹後市観光振興計画に関する研修および質疑応答
研修内容:「第4次京丹後市観光振興計画」の説明
1.計画策定の概要と位置づけ
* 根拠条例: 「京丹後市観光立市推進条例」(平成21年4月1日施行、議員提案により制定)に基づき策定。
* 計画期間: 令和5年度〜令和9年度(5年間)。
* 基本理念: 市民・事業者・行政が一丸となった観光立市の実現。
2.京丹後市の観光資源と課題
主な資源
* 山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク(地域全体)
* 温泉源(市内40箇所、京都府下随一)
* 丹後ちりめん(日本一の生産量)、機械金属産業
* 長寿の街(100歳以上の比率が全国平均の3.3倍、木村次郎右衛門氏など)
* 海水浴場15箇所
観光の課題
* 夏(海水浴:10万〜15万人)と冬(カニ目的の宿泊)に偏重した「二期型観光」。
* 春・秋の集客および通年平準化が課題。
3.数値目標(KPI)と現状数値
* 年間観光入込客数: 目標 240万人(コロナ前 211万人 → 令和7年度実績 169万人)
* 年間宿泊客数: 目標 55万人(コロナ前 36万人 → 令和7年度実績 28万人)
* 年間外国人宿泊客数: 目標 1万人(実績 1万2,000人:目標達成)
* 年間観光消費額: 目標 105億円(コロナ前 71億円 → 令和7年度実績 83億円)
* 再来訪(リピーター)意向率: 目標 85%(令和7年度実績 85.5%:目標達成)
* 宿泊者数の平準化率: 目標 50%(令和7年度実績 46.8%)
4. 事前質問に対する回答
Q1. 観光予算規模および観光協会・公社への委託費・補助金について
全体予算: 例年 4億5,000万〜6億円(大改修や直営施設費により変動)。
観光公社(旧観光協会)補助金: 約1億円/年。
その他支援策:海の京都DMO負担金:1,700万円
地域活性化企業人制度による民間人材(JAL、日本旅行等)派遣受入負担金:2,000万円(1人1,000万円×2名)
国際交流員(CIR)配置費用:420万円
市から観光公社への派遣(事務局長級・主査級計2名)
Q2. リピーター獲得およびインバウンド対策の工夫
リピーター率は90%近く非常に高い(質の高い接客・カニ料理等による)。
インバウンド誘客・広域周遊は、広域連携組織「海の京都DMO」に集約・集中的にプロモーションを発注。
国内客(特に富裕層・ファミリー層)を中心ターゲットとして高付加価値化を推進。
Q3. 自主産業の発展および地域経済活性化との連携(地場産業・人手不足)
ヘルスツーリズム新産業協議会の立ち上げやヘルスツーリズムの推進。
観光の課題(人手不足): 繁忙期の人手不足による受入制限が発生しており、機会損失額は推計約27.5億円に上る。
Q4. 住民主体の活動や新たな観光資源育成
ビーチクリーン活動と体験型観光ツアーの融合。
オーガニック野菜の収穫体験、和たがね体験、長寿体験、空中ヨガ、プライベートサウナ等の体験プログラム開発。
Q5. 計画の進捗管理・KPI検証および予算・事業への反映方法
有識者・事業者・大学教授等27名で構成される条例上の審議会「観光立市推進会議」にて毎年検証を実施し、事業・予算編成に反映。
5. 質疑応答
Qふるさと納税を活用した「宿泊クーポン」の実施状況や寄附額・効果はどの程度か?
Aふるさと納税全体で毎年約2億円の寄附があり、宿泊クーポンで約5,000万円が市内の宿泊施設で消費されている。さらに、現地での追加消費(手土産・飲食等)も発生するため、地域経済および市財政の双方に非常に効果的な取り組みとなっている。
Q 観光消費額目標105億円に対し83億円まで回復しているが、単価上昇や水揚げ量などの影響・傾向はどのようなものか?
A 消費額増加の要因としては、大阪・関西万博による影響や、直営温泉施設(1箇所閉鎖)および大手宿泊施設の休廃業に伴う観光客数の変動がある。施設数の減少による機会損失に配慮しつつ、高付加価値化による単価向上を維持・推進している。
Q 市が所有する温泉施設や道の駅の運営形態(委託・指定管理など)はどのようになっているか?
A 基本的には公募による「指定管理者制度」を導入し、民間事業者に運営を委託している。ただし、公募で応募がなかった温泉施設1箇所については、観光振興課の直営(市職員による運営)で対応している。
Q 道の駅(てんきてんき丹後等)の収益性や観光案内・ガイド機能の状況はどうか?
A 道の駅「てんきてんき丹後」には年間約30万人が来訪している。指定管理料(年間約1,500万円)を交付して運営している。館内にはジオパーク観光案内所を併設しており、ジオガイドが常駐して立岩等の案内を行っている。
Q 観光施策に対する市民の理解や評価の把握方法、財源確保に向けた検討状況はどうか?
A 議員提案による「観光立市推進条例」があるため、市議会および市民からの観光投資への後押し・理解は強い。また、財源確保として入湯税(年約5,000万円弱)に加え、新年度からの「宿泊税」導入に向けて検討委員会を設置し協議を進めている。
Q 観光公社のプロパー職員の育成や、専門人材(企業人・DMO等)との連携体制はどのようになっているか?
A 観光公社にはプロパー職員約10名のほか、派遣人材(JAL・日本旅行等から2名、市から2名、CIR1名)が在籍している。ノウハウ共有やマーケティング手法(OTAデータ分析等)の伝授を通じて、公社全体の専門性と推進力を高めている。
Q 近隣市町(宮津市、伊根町等)との連携・協定の状況はどうか?
A 京都府北部の7市町(舞鶴・宮津・福知山・綾部・伊根・与謝野・京丹後)で構成する「海の京都DMO」を通じて広域連携を図り、インバウンド誘客や広域観光ルートの形成に取り組んでいる。
特記事項
6町の合併によって出来た新しい「京丹後市」人口4,500人ということで笠岡市とほぼ同じ規模でるが、合併を機に「観光」で活性化ということで旧町の観光協会が観光公社となり、それぞれの町の良いところを「観光」という切り口で積極的に打ち出し、市の生き残りをかけている。特に議員制定の条例でる「京丹後市観光立市推進条例」を平成21年3月に制定しており、この条例の後押しもあり、予算化及び事業の進捗管理についても継続的に行われている。
観光施策の肝は「プロ」人材の活用しかないと考えます。豊岡市の場合は楽天等に職員を出向させてそのノウハウと人脈を習得させる方法と京丹後市のようにJALや日本旅行から外部人材の投入の方法がありました。観光による経済効果を見える化して、最低限それに似合う投資も積極的に行わないと道は開けない。
観光先進地は現状分析が細かく行われており、それゆえに問題点が絞られ、それに対する施策が的確に実施されている。特に、市観光課・観光協会・広域DMOとそれぞれの役割を明確にして、負担金と共に職員を出向させる形で一枚岩で施策を推進している。
京丹後市観光立市推進条例
・https://www1.g-reiki.net/city.kyotango/reiki_honbun/r025RG00001185.html







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